広い敷地の中に、百年以上建っていた母家に代わって建てられた急勾配の瓦屋根に包まれたK邸。
太い柱がベランダと大屋根を支えています。
百年以上経った母屋の解体から始まったK邸の工事は私にとっても貴重な経験でした。 以前の建物は、古い分だけ、存在感と年月を経た味わいがあり、壊してしまうのが惜しく、また申し訳ないような気持ちでした。 これまで住んでおられたK邸のご家族にはまた格別の思いがおありだった事と思います。
プランの際には、何度も足を運んで頂いて打ち合わせを繰り返しました。「外観は森の中の洋館風で、内部は無垢の木を使った明るい空間に…。」というご希望に沿いながら、K様と一緒にイメ-ジをふくらませていきました。古材を部分的に使って以前の家の雰囲気を残したり、外観に和の感覚を取り入れることでK邸の敷地にしっくりとなじんでくれたように思います。